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感想処。

ボキャ貧がエロゲの感想を書くだけのブログです。

サクラノ詩 感想

感想

サクラノ詩(枕)の感想です。

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公式サイト:サクラノ詩
発売日:2015年10月23日

①評価:S

以下、ネタバレを含みます。

 

②自分の攻略順・おすすめの攻略順

ほぼ一本道で、Olympia(稟ルート)とPicaPica(真琴ルート)くらいしか選択の余地がありません(一応レズルートと藍ルートがありますが大した長さではない)
おすすめの攻略順ですが、稟ルートであるOlympiaを最初にやると良いと思います。

③共通ルート・個別ルートの感想

○Ⅰ章 Frühlingsbeginn

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色々と設定が盛り沢山なので仕方ないのですが、伏線やら謎やら振りまいていて、初見ではよく分からないことが多かったです。クリアしてから読み返すと色々と違うのですけどね。
序盤のギャグは結構滑っていたと思います。
Ⅱ章までいけば心を掴めるとは思うのですが、Ⅰ章だけでは少し掴みが弱いという印象です。

○Ⅱ章 Abend

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Ⅰ章に比べると日常のテンポが良かったように感じました。
この章を語る上で外せないのは明石の計画していた『櫻達の足跡』でしょう。
Ⅰ章から続いていた明石の意味不明な行動から普段の服装まで、全てがこの計画のためにあったという良い展開でした。
青春部活もののような雰囲気でとても良かったです。共通ルートで心を掴むのは良いことですね。
明石の「我々が何のために作品を作るのか、それさえ見失わなければ問題ない」という言葉、初めて聞いた時にも明石の芸術家としての魂が感じられましたが、最後のⅥ章でも主人公によって全く同じ言葉が語られていて、この作品における大事な言葉なのだと思います。

○Ⅲ章

・Olympia

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この作品の中ではキャラゲー色の濃いルートだったように感じました。
このルート単体だけで見ると凡作程度の出来だと思います。
しかし、初めから隠されていた主人公が絵を描かなくなった理由、稟の記憶があやふやなこと、吹の正体(完全にではないが)等の謎を明かしつつ、雫が過去に稟と面識がありそうなこと、吹が雫によって生み出されたこと等の謎を残して後に繋げているので、この先への導入として良い出来だったと思います。
このルートだけだと長山香奈は小物っぽくて良くなかったですが、後々大物とまではいきませんがそれなりの人物として動くのでまあ良いと思いました。

・PicaPica

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このルートの役割として、圭の出生を明かすこと、校長の掘り下げをすること、中村家というこの作品における悪役を決定づけること、等の役割があったように思えますが、このルート単体で見るとあまり面白くはなかったです。
Ⅲ章の他のルートでは、過去にヒロインと主人公の間にあった出来事が語られているのに対し、真琴と主人公の間には過去に何もなかったという設定上の問題もありますが、内容はサブキャラばかりでこの作品の本筋には関係ない話していただけですし、悪役も小物すぎて不快なだけでした。
圭の出生が判明したり圭に関連する話をしたりしているのに、圭の出番が全くと言っていいほどないのも違和感がありました。
後々圭は重要なポジションになるキャラクターでもあるので、この辺で掘り下げておくと良かったのではないかと思います。

・ZYPRESSEN

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優美視点が多いこともあって優美が主人公のように見えました。
千年桜に関する過去話と里奈と優美に関する過去話の二つの過去話がメインで、里奈と優美の互いへの色々と入り混じった感情や、主人公との出会いなど見ていて面白い話ではありました。
伯奇の話は、この先の雫ルートとⅣ章に繋がっていることが後に分かるので繋がり方としても良い流れかと思います。
この作中で二回(伯奇も含めると三回)しか咲かない千年桜を、優美が咲かせるのはなかなか予想外でした。

・Marchen

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レズルートです。
自分はレズは好きではないですが、里奈と優美の互いに対する思いを知ってからだと、こういう関係になることもあるのかと思えました。

・A Nice Derangement of Epitaphs

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ここまでのⅢ章の個別ルートを踏まえて、多くの謎が解明されていくルートです。
このルートの話は雫を救う過程という前半部分と、雫と稟と吹の関係性という後半部分の二部分に分けられるでしょう。
前半は特に良かったです。
過去にも稟と里奈を救った主人公ではありますが、その二つとはレベルの違う救出劇であり、感動的でした。
特に草薙健一郎が、『櫻七相図』を草薙直哉の作品だと認めたシーンは良かったです。
お互いに文句ばかり言っていても良い親子なんだと思えました。
後半はOlympiaでも語られた稟の過去のさらに詳しい話でした。
はっきり言って凡作ならば前半部分までで作品自体が終わりでもおかしくなかったですが、この作品はここからさらに話を広げ、稟の過去を全て明かした上でⅤ章へと繋いでいて、他の作品とは一線を画する作品なのだと感じました。
個別ルートであるⅢ章の締めに相応しい話でした。

○Ⅳ章 What is mind? No matter. What is matter? Never mind.

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草薙健一郎と水菜の馴れ初め、草薙健一郎が如何にして夏目屋敷を中村家から救ったか、という過去話でした。
他の章と比べると短いですが、短い中で色々なことに理由づけがされていて出来は良いと思いました。

○Ⅴ章 The Happy Prince and Other Tales

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この作品で一番の山場となる章でした。
ずっと筆を折っていた主人公が圭の思いに動かされ復帰、草薙健一郎に美の神様とまで言わしめた才能そのものである吹と元は天才であったが凡人になった主人公との勝負、主人公と圭のムーア賞ノミネート、圭の受賞と死、才能を取り戻した稟の旅立ち、と見所しかない素晴らしい章でした。
稟がどこかでなおくんには愛してあげる人が必要と言っていましたが、この章ではその役割は藍であり、強くあろうとし続ける主人公を救っていました。
しかし、才能を取り戻したことで冷酷な芸術家として、主人公と圭が歩むはずだった道を一人で歩んでいく稟にも同じことが言えると思いました。
この辺りは続編である『サクラノ刻』で語られると思うので楽しみにしています。サクラノ刻バージョンの稟グッズが出ているので少なくとも稟はヒロイン続投でしょうので。
ハッピーエンドとは言えないですが、素晴らしい話でした。

○Ⅵ章 『         』(櫻の森の下を歩む)

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Ⅴ章から数年後の話で、『サクラノ詩』のエピローグであり『サクラノ刻』のプロローグと言える章でした。
子供だったキャラクターが成長して登場するという展開は好きなので、本編で登場した子供全員が成長して登場しているのはかなり良かったです。
元々無気力系だったのに拍車がかかったような主人公でしたが、絵を描くことでⅡ章やⅤ章のように楽しいという感情を感じられていて良かったと思います。
最後の終わり方も、主人公と藍以外は去ってしまったが、残った二人も立ち止まっているわけではなく進んでいるという、少し切なくも良い話に仕上がっていて、良い終わり方だと思います。

④その他

内容、ボリューム共に素晴らしい出来でした。
単にここが良かったというような浅い感動ではなく、全体を通しての深いじんわりとした感動がありました。
不満としては、背景が店内に入っても背景は大通りのまま、室内に入っても背景は廊下のままということが何度もあったこと、1シーンしか出ない天文部の秀才や男子生徒ABCDなど無駄なキャラ(CはⅥ章で登場するが)に立ち絵があるのにも関わらず鳥谷ルートの悪役に一切立ち絵が無いこと等、何故そこで手を抜いてしまったのだろうと思いました。
全体の出来が良いだけに細かいところで手を抜いてしまうのは勿体なく感じました。
まあ多少の不満はあれど、全体的にはとても良い作品であったため、迷うことなく評価はSとさせていただきます。
続編の『サクラノ刻』が既に発表されているので、発売されたら間違いなく購入します。
この作品の続編ということでハードルがかなり高くなってしまいますが、期待して待つことにします。

以上です。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。