空に刻んだパラレログラム 感想
空に刻んだパラレログラム(ウグイスカグラ)の感想です。
公式サイト:空に刻んだパラレログラム
発売日:2018年12月21日
①評価:S+
以下、多少のネタバレを含みます。
②自分の攻略順・おすすめの攻略順
自分は、ほたる→玻璃→柚→里亜、という順番で攻略しました。
おすすめの攻略順はありません。本作は個別ルートを見なくても本筋に進めるので、先に好きな順でプレイすると良いと思います。
③感想
先に不満点を述べると、前作同様に取って付けたような個別ルートと誤字が多すぎる点が良くなかったです。
不満点はこれだけで、それ以外は全く文句ない出来でした。
前二作とは雰囲気が違い過ぎることと、体験版がそこまでパッとしなかったため少し不安ながらも期待は高かったのですが、その期待を悠々と飛び越えてきました。
前二作は予想外の展開に見事な伏線回収で魅せてきましたが、今作は一切曲がったことはしないド直球の王道スポ根ものという前二作とは全く違う作風でしたが、魅せ方が上手すぎて展開は誰でも予想できるような展開ばかりであるのに非常に楽しむことができました。
体験版範囲までは泥臭い部活ものの側面が強かったですが、体験版範囲以降は試合の連続で、華やかさの方が強かったです。それでいて、個人の壁やチームメイトとの衝突など部活ものらしい面もありました。
架空のスポーツの試合を面白く見せるのは困難だと思いますが、そんなことを感じさせない素晴らしい描写で各試合ともに楽しめました。
さらに、試合に臨む各キャラの特性・過去・心情の描写も完璧で、例外なく全キャラ・全チームにに魅力が感じられて、好きではないキャラがいません。
体験版をプレイした段階ではキャラもチームも多くて覚えられないと思っていたのですが、プレイを終えたらそんなことは一切思いませんでした、
しかもCGがいちいち格好良くてアツいです。男も女も関係なく全キャラ格好良かったです。
試合内容は全て面白かったですが、クックロビン戦が相手のゴール間際の時間切れによる終了、因縁の相手ばかりでどう考えてもラスボスだと思っていたエアロパーツとは準決勝で対決する等、プレイ中は少し疑問に思う点もありましたが、最後のカーディナルズ戦で全て納得出来ました。
あくまで人間ドラマは準決勝まで、決勝戦はそういうものなしの純粋なテレプシコーラで終わらせるという意思を感じました。クックロビン戦の終わり方が微妙だったのも決勝戦で空がリベンジに来ることを考えると納得です。
里亜の出番が少ないことも気になっていましたが、決勝戦の最後の最後で見せ場があったので良かったです。
王道らしく終わり方も爽やかで後味が良かったです。
ウグイスカグラの『紙の上の魔法使い』と『水葬銀貨のイストリア』は結構暗めなシナリオで、そういうシナリオが得意なのかと思っていましたが、その程度ではないという幅の広さを見せつけられました。
今作のような王道スポ根もので成功するならもうシナリオにおいて心配はないと思っていましたが、成功どころか大成功で、自分の中でウグイスカグラへの絶対的な信頼が確立された素晴らしい作品でした。
④その他
とても高いハードルを飛び越え、トップクラスで気に入っていた前作よりも楽しめました。
自分でも知らなかったのですが、こういう爽やかなストーリーが好きなことに気づかされました。
シナリオに関しては魅せ方を完全に理解してますし、今後も心配は全くないと思いますが、シナリオ一辺倒なので他の部分も充実させてば隙のない作品になると思います。
評価はSか、当ブログで初のS+か迷いましたが、高いハードルを越えてきたこと、王道テーマでこれだけ魅せてきたこと、これだけ多いキャラクター全てを魅力的に描写できたこと等を考えて、評価はS+とさせていただきます。
今年の終わりにこのような作品をプレイできて良かったです。
以上です。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。